決算書を読み解く「考え方」が学べる一冊 『会計士は見た』前川修満

kaikeishihamita

今年の目標に「読書」を掲げた私は、
最近、前川修満さん著の「会計士は見た」という本を読んでみました。
今回はそのあらすじや感想を書いていきたいと思います。

決算書から「企業の実態」を暴く本

いぬ

どんな本なんだ?

ひつじ

決算書から、誰もが知ってる大企業の「本当の姿」を暴く本っす。

粉飾決算、突然の破綻、大規模なリストラ。
会計士である著者が大企業の実態について決算書から紐解いていく一冊です。

全229ページで6章構成。
だいたい1企業1章となっており、章ごとに読みきれます。
章立て、内容は以下のような感じです。

  1. ソニー
    2014年、円安と逆オイルショックで日本企業が好調の中、ソニーは赤字。その理由は多額の法人税と子会社の業績が関係していた。
  2. 大塚家具
    御家騒動が話題となった大塚家具。社長交代劇は成功だったのか?そして両者の経営への思いとは。
  3. コジマ・日産
    コジマの衰退と日産のV字回復。2社の運命を分けた要因は一体何だったのか。
  4. キーエンス
    製造業の中でも飛び抜けた高利益で知られるキーエンス。その利益率の高さの秘密とは?
  5. スカイマーク・江守グループホールディングス
    スカイマークはたった1回13億円の赤字で、江守GHDは増収増益にも関わらず、両社の突然の破綻。その兆候は決算書に表れていた!?
  6. 東芝
    2015年夏、不正が指摘された東芝。その手口とは?

ある程度ニュースで背景を知っているから読みやすい

イヌ

どうだった?

ひつじ

日産とか大塚家具とか話題になった企業が出てきてて読みやすかったっす。

まずソニーやコジマ電機など誰もが知ってる大企業、
東芝や大塚家具、日産などのニュースで話題になった企業が登場するので
会計初心者でも話に入りやすいし、読みやすいです。

また、会計士である著者は、誰もが見れる決算書から企業の特徴や
栄枯盛衰の背景などを読み解いていて、
例えば家電量販店No.1だったコジマ電気が
2002年度にヤマダ電機に追い抜かれた話では、


ヤマダ電機と比較すると売上高に対する販売管理費の割合が高い

その中でも人件費割合が高い

社員数・パート数を見るとコジマ電気の方が圧倒的に社員割合が多かった
(その後慌ててパート転換策を講じたが従業員の士気が下がり低迷)

と言ったように一連の流れというかストーリー仕立ての
論理的な順序立った説明で紐解いているのでスラスラ読めました。

決算書を読み解く「考え方」を学べる一冊

決算書からどんなことが読み取れるのか、
企業にどんな特徴があるのか、
数字にはどんな背景が考えられるのかなどの
企業理解や分析の第一歩として手軽に読める本です。

昨年より監査法人で働き始め、公表をする決算書に不正がないか
チェックや分析などしているわけですが、
その決算書にはその企業の動向や背景など様々な情報が表れる
ことを改めて感じました。

この本の評価
話の入りやすさ
(5.0)
会計知識なくても読みやすい
(4.5)
内容の充実度
(3.5)

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