今年の目標に「読書」を掲げた私。ナマケモノな性格でも今の所月1冊ペースを守れています。(少な
今回は財部誠一さん著の『カルロス・ゴーンは日産をいかにして変えたか』という本を読んでみました。
前々から買って積んでいたのですが、昨今の日産ニュース続きによって触発され読んでみようと本棚から取り出しました。
日産の凋落からV字回復までの軌跡
いぬ
ひつじ
全213ページで5章構成。
章立て、内容は以下のような感じです。
- ゴーン改革が始まった
V字回復のための「リバイバルプラン」の概要やゴーン氏の紹介、ゴーン氏が来てから日産社内が少しずつ変化し始めた様子が書かれている。 - 名門はなぜ凋落したか
「技術の日産」と言われた名門がなぜここまで落ちたのか。これまでの日産の成長と、それにつれて徐々に生じ露わになった多くの問題点が書かれている。 - 「リバイバルプラン」そして「再建」へ
ここではリバイバルプランが生まれた背景とその詳細が描かれている。実はリバイバルプランはゴーン氏によるトップダウンのものではなく、社内の精鋭たちが幾度となく議論をしまとめられたものだった。しかしそこにはゴーン氏の思惑と緻密な計算が織り交ぜられたものだったという。 - 「日産の選択」が投げかけるメッセージ
個人的にはこの章が一番好きだ。日産が辿った運命とゴーン改革についてインタビューしていく中で著者が得た、他の企業や日本経済が考えるべき事を綴っている。GEの話や、特に孫正義氏の話は非常に面白かった。 - 日産かく変われり
リバイバルプランの結果とゴーン氏の巧みな経営戦略に関する著者の評価が書かれている。
ゴーン氏の経営の「巧さ」
イヌ
ひつじ
主に第3章で書かれている内容ですね。
再建プランは完全にトップダウンでされていると思っていたので、そうでもない事に驚きました。
しかしそうさせる事によって企業体制をも変えさせるのが狙いだったと著者は言っています。
さらに、リバイバルプラン発表の際のスピーチにもゴーン氏の経営者としての巧さが光るポイントがあったとのこと。やはり聴衆を魅了し、聴き手の心を動かすのは経営者として重要なスキルですね。
また第4章では、今回の日産の問題が他の企業や日本経済にも言えることだと著者はメッセージを投げかけています。
GEを例にして経営の在り方を問いたり、企業再建のプロと知られた大山氏の例をあげ、経営者としての不可欠なスキルについて意見したり。
また、日産がトヨタを意識するあまりに自らを見失った事が日産凋落の問題点の一つとして上がった事に関しては、孫正義氏の日本の国民性や企業体質に関するメッセージを紹介しています。
日産のV字回復を実現させたリバイバルプランを克明に語った本
結局日産は、たった1年での黒字化、3年以内に営業利益率4.5%と有利子負債半減という3つの目標を達成しました。
この改革、リバイバルプランはプロジェクトチームの絶え間ない会議から生まれたものだと言っても、最終的にはゴーン氏がまとめ上げ、風土や組織づくりをし、実際に実行・達成させたのですから、やはり経営者としての手腕があったと言わざるを得ないですよね。
今となっては退任してしまいましたが、ゴーン氏が経営者として日産に何をもたらしたのかが垣間見れて良かったです。
10数年前という古いものですが、気になった方は読んでみて下さい。
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